士業者を唸らすドラマかも!? 逃げるは恥だが役に立つに注目です
TVドラマ
このクール(10月~12月)は、注目作品が目白押しですよね。
NHKの「運命に似た恋」、日テレの「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」と「レンタル救世主」、TBSの「IQ246~華麗なる事件簿~」、「逃げるは恥だが役に立つ」などなど。
類まれに見る豊作です。
私がドラマを見るか否かのほとんどは、主演女優で決めているので作品の論評などはできませんが、そのなかで、行政書士の職業柄から気になるのは、「逃げるは恥だが役に立つ」です。
新垣結衣さん、かわいいですよね。
それは置いといて、興味深いのは、ドラマが「結婚契約」というテーマということです。
最近、若いご夫婦の中には、「結婚契約書」を交わされる方もいらして、この契約も書類を作成するという行政書士が行う業務なのですが、このドラマは、ちょっと趣旨が違います。
そもそも結婚はしないこととして、「家事労働を対価に結婚に相当する生活の形式を採る契約をする」というものです。
まだ第1回目なので、ドラマがどのような方向で進むのかは分かりませんが、おそらく法律上や制度上の問題はクリアするような形式で物語が進むものと思われます。
その証として、第1回目のラストでは、「事実婚なのに会社員のパートナーの健康保険の被扶養者となる」シーンが映し出されました。
市区町村役場らしき窓口で、「住民異動届」を「妻(未婚)」で提出し、「健康保険被扶養者(異動)届」を記載する場面です。
ここで、ちょっと違和感がありませんか?
「結婚していない(事実婚)のに、パートナーが加入する社会保険の被扶養者になれるの?」という疑問です。
これって、「なれる」んですよ。
事実婚であっても、社会保険としては、国民年金の第3号被保険者および健康保険の被扶養者になることができます。
社会保険の場合は、「一緒に生活をしている」という事実が重要視されます。
そのための確認事項としては、「同一の住所地に居住していること」が求められます。
つまり、住民票の住所を同一としておく、さらに、「続柄」を、「妻(未届)」と記載しておくことが重要です。
この要件を満たすことにより、「夫婦として」と、みなされるようです。
でも問題は、このドラマでは法律婚(夫婦)でも事実婚でもありませんよね。
だからドラマでは、この事実がバレないように、次回以降は必死になって、結婚していないし事実婚でもないことを隠すドタバタ劇が始まるのだと思います。
厳密に言えば、「社会保険の制度を悪用している」とみなすこともできるのですが、まあドラマでフィクションなので、だから敢えてコメディタッチで描かれているのかもしれません。
当たり前ですけど、結構なやり手で制度に精通した専門家がいますよ、監修には。
だって、わざわざ届出用紙をアップで映したり、しかも、「妻(見届)」と書くなんて、こんなこと、一般の人は知りませんから。
このあたりは社会保険労務士さんの専門ですから、「ちゃんと調べてるやん」と思って見ていらっしゃるのではないでしょうか。
ちなみに、税務関係は事実婚を嫌って法律婚を重視するので、税理士さんに関心がある事柄も、今後はこのドラマで描かれるのかもしれません。
そしてきっと来週は、「結婚契約書」ではなく、「契約結婚契約書」のような、よく分からない契約書を交わすシーンがあるのではないでしょうか!?
このあたりは行政書士も興味深々です。
新垣結衣さん!!その契約書、ぜひ私に作らせてください。
行政書士の腕がなりますよ。