遺言書のススメ|元気なうちに作成して、 大切な人が将来困らないように
遺言書で事前に確実に準備をするのが万全
事が起こってからでは、もう遅いのです。
「事」というのは、自分が亡くなることです。
自分がもし死亡したら、現在所有している財産はどうなるか、正確に把握されていますか?
漠然と、「こうなるだろう」は、大きく間違っていないとしても、細かいところで誤解があると、大きな争いになることがあります。
大切な人に財産を貰ってもらおうと思われるのなら、その対象の人は、法的に相続人になっていますか?
しかも、その他に、法定相続人はいませんか?
知り合いの行政書士が先日に遭遇した話なのですが、相談者は内縁の妻だったために、パートナー(法的には夫婦ではないので)の死亡により一銭も財産が取得できない、しかも、住まいまで追い出されてしまう、というものでした。
財産を丸取りされたのは、亡くなられた方のお姉さんです。
守秘義務があるので詳しくは話せませんが、弁護士を雇ってまで住まいから追いだしたのも、そのお姉さんだそうです。
生前にしておくべきだったこと
この場合、亡くなる前に内縁の妻のため、しておくべきことがありました。
〇籍を入れること
〇遺言書を書くこと
これをされておけば、お姉さんが口を挟むことが、一切できない状況を作り出すことができたのです。
遺言書で指定しておけば、兄弟姉妹の相続権は排除することができるからです。
正確には、兄弟姉妹には遺留分が認められないことにあります。
だから、せめて②だけでも、生前にしておくべきだったのです。
今回のケースでは、結局こちら側も弁護士を入れて対応されたそうです。
亡くなった後で出来ること
これは極めて限られます。
「きっと大丈夫」は、勝手な幻想かもしれません。
大切な人が困らないよう、その後の生活が健やかに送れるよう、備えをしておくのは、最大の優しさなのだと思います。
遺言書を書くということが、何だか家族を信じていないようで嫌だとか、思っていませんか?
その逆です。
遺言を残すことで死後、家族のこれからの事を大切に考えていたことが、遺族は現実のものとして受け止めることができるのです。
もちろん争いも防げます。
自分の死によって、家族が争いになるなんて、考えたくもありませんよね。
でも、そんな現実も、事実多くあります。
早く日本でも、「遺言を書く」ことが当然の社会になればいいなと思います。
そして、愛する人がいるのなら、できれば籍は入れるのがいいと思います。
LGBTのことなど様々な理由があるのかもしれませんし、紙一枚のことなのかもしれませんが、法的な効果が全く違ってきます。
まとめ
風潮は徐々に変わってきてはいますが、まだまだ旧態依然としているのが、日本の社会の現状です。
早く社会が成熟していくことを願います。