この人、だーれだ? この立体像も商標権で守られます
この後ろ姿、誰?
中年男性の悲哀に溢れていますよね。
正解は、「カーネルサンダース」です。
近々、同業の行政書士に向けた、他の専門職の業務内容を知るための研修会があって、「弁理士」さんの業務を知る研修の担当講師を、私が努めます。
弁理士さんは、特許庁への特許・実用新案・意匠・商標の出願についての手続きの専門家で、全国に約1万人がいらっしゃいます。
その資格を得るためには、とても難しい国家試験を突破しないといけません。
そんな弁理士さんの仕事において、商標登録の出願前には商標調査という業務があって、この調査を業務として行政書士も行っているということは、以前にこのブログでも紹介しました。
私が弁理士業務の講義の講師をするにあたり、講義資料に手を加えて準備を行っていたところ、ちょうどいい写真から、商標登録されていました
この写真を見たところ登録されたのは古いのかと思ったら、平成10年なんですって。
案外最近ですね。
「ケンタッキー・フライド・チキン」としての名称(商標の場合、商品又は役務の「普通名称」と言います。)やロゴは、ケンタッキーさんはもちろん商標登録されていますが、立体的な形状でも登録されているのは、さすがです。
このような企業イメージを形成する人形は、いわば看板のようなものですから、このほか不二家さんの「ペコちゃん」人形も、立体商標として登録されています。
しかし、商品又は商品の包装・容器の立体形状のみからなる純立体商標が登録されることについては、かなり困難と言えるようです。
例えば、飲料を入れる容器の形状について。
ヤクルトさんの容器って、独特な形をしていますよね。
こんなに特徴的なのに、長年にわたり、商標登録は認められませんでした。
そして、法廷闘争の末、つい最近の平成20年になってようやく、商標法の適用を否定した審決は違法であるとして、ヤクルトさんは容器の形状について商標登録することが認められました。
国内では、コカコーラさんの瓶の形状に次いで、史上2番目の快挙だったようです。
かなりの狭き門ですね。
ちなみに、平成27年4月から特許法とともに商標法も改正されたことから、保護対象が拡充され、「位置」・「音」・「ホログラム」・「動き」も商標登録できることになりました。
平成28年6月30日現在の統計ですが、新しいタイプの商標出願総数は1,329件で、登録件数は、そのわずか6.5%の86件です。その内訳は位置商標が295件中9件、音商標が446件中39件、動き商標が94件中36件、ホログラムが16件中2件、色彩のみからなる商標が478件中0件でした。
色彩が0件である理由は、「他の商品に使われているものと識別しづらい」等とされています。
厳しいですね。
ちなみに行政書士のなかには、事務所名を商標登録されているところもあります。
これには特徴ある名前であることが必要ですから、「さわだ行政書士事務所」では、何度出願しても、もれなく拒絶通知が来ること間違いなしです。
ロゴを付ければ、いけるかな。