【知らないのは大きなリスク!】住民票「職権削除」の恐怖?住所不定になったらどうなる?給付金・税金・保険証の全て
「もしかして、住民票が職権削除されてる…?」 「住所不定になったら、生活はどうなるの?」 「給付金や保険証はもう使えないの…?」
もしあなたが今、このような不安を感じているなら、この記事はあなたのためのものです。
行政サービスを受けられない、税金はどうなるのか、そして「住民票の職権削除」とは一体何なのか。具体的な影響から、万が一そうなってしまった場合の復活方法まで、あなたの疑問を徹底的に解消します。
この記事を読めば、住民登録の重要性を改めて認識し、安心して生活を送るための道筋が見えてくるはずです。ぜひ最後までお読みください。
住民票の「職権削除(職権消除)」とは?勝手に消されることはあるの?
まず、最も気になる「職権削除」についてご説明します。
職権削除(職権消除)とは、文字通り、行政(市町村)が住民の意思によらず、その住民登録を抹消する行為を指します。
「行政が勝手に住民登録を消すなんて、まさか!」そう思いますよね。ご安心ください。行政が本人に無断で何の連絡もなしに、勝手に登録を抹消するようなことは原則的に、絶対にありません。もしそんなことがあれば、大問題になります。
しかし、ごく稀に、特定の条件が満たされた場合に限り、自治体による「職権削除」が行われることがあります。これは、決して「職権濫用」ではありません。住民基本台帳の正確性を保つための、法的に認められた行政手続きなのです。
職権削除が行われる具体的なケース
職権削除は、主に以下のようなケースで検討されます。
- 住民登録されている住所に、実際に住んでいないことが判明した場合 「〇〇さんの住民票がこの住所にあるのに、誰も住んでいないようだ…」といった状況です。
自治体は、住民基本台帳の記載が事実と異なる疑いがある場合、その誤りを正すために居住実態の調査を行います。職員が独断で判断するのではなく、以下の要件に基づき、厳格な手続きを踏んで進められます。
「住民基本台帳実態調査に係る事務取扱要領」に基づく調査要件
- 住民からの届出に、事実と異なる疑いがある場合
- 市町村長が、その職務を執行する上で、または他の行政機関からの通知・通報により、住民票の記載事項に疑義が生じた場合
- 市町村長が特に必要と認めた場合
これらの調査の結果、「住民登録抹消の必要がある」と判断されれば、職権による削除が行われることになります。職権削除が行われると、あなたの「戸籍の附票」にもその旨が記載されます。
【参考記事】戸籍の附票とは|その役割は?戸籍と住民票と何が違うの?どこで取得できるの?
これであなたは名実ともに「住所不定」の状態になってしまうのです。
「住所不定」がもたらす恐ろしい現実!行政サービスはこう変わる
住民票の職権削除により「住所不定」になってしまうと、あなたの生活は大きく変わってしまいます。なぜなら、現在の本当の住所で住民登録を自分で行わない限り、あらゆる行政サービスが受けられなくなるからです。
医療費が全額負担に!?保険証が使えない!
最も影響が大きいのは、医療です。
住所不定ということは、有効な国民健康保険証を所持できません。病院に行っても保険の適用が受けられないため、診察や治療費は全額自己負担となります。これは、もしもの病気や怪我の際に、莫大な医療費に直面するリスクを意味します。
【参考記事】住所不定のままでは罰則がある!?保険証も使えないの?住民登録を怠るリスクについて、常磐道あおり運転から法律上の問題を考えます
印鑑登録もできない!重要な契約に支障が!
印鑑登録もできなくなるため、印鑑証明書が必要な重要な契約(例:不動産の購入、車の売買、ローン契約など)で、印鑑証明書が必要な場合は基本的に契約ができなくなります。これは、あなたの社会生活において大きな支障となるでしょう。ただし、現在は電子契約も増えてきていますので、印鑑証明書の必要な場面は減少していくでしょう。
給付金が「宙に浮く」可能性も!?
新型コロナウイルス感染症に関連する給付金(特別定額給付金など)や、物価高による給付金など、国から給付される給付金は、住民登録を基に申請書が郵送されたり、世帯構成が把握されたりしています。
もし職権削除されていれば、あなたは世帯の人数にカウントされず、給付金を受け取る権利があるにもかかわらず、そのお金が「宙に浮いてしまう」可能性があります。緊急時の支援から取り残されてしまうのは、あまりにも大きな損失です。
住民票がないと「税金」は払わなくていい?
「住民票がなければ税金を払わなくていいのでは?」 残念ながら、それは大きな誤解です。
住民登録がない、または抹消されたとしても、収入があれば課税されます。これを故意に逃れる行為は、脱税に他なりません。
日本の税金には主に以下の種類があります。
- 所得税(国税)
- 市民税・府民税(市町村民税・都道府県税)
- 固定資産税(市町村民税)
このうち、住民登録と密接に関わるのは所得税と市民税・府民税です。
会社員の場合:源泉徴収と年末調整で必ず判明する!
会社員であれば、給料から「源泉徴収」という形で所得税が天引きされます。そして、会社の年末調整により所得税額が確定し、その情報は都道府県にも提出されます。これにより、自動的に住民税(市民税・府民税)も計算される仕組みです。
たとえ住民登録が抹消されていたとしても、会社はあなたの「居所」を届出ますから、その所在地である市町村は住所を把握し、課税を行うことができるのです。
自営業の場合:確定申告は義務!
自営業者であれば、年間20万円を超える売上があれば、毎年**確定申告(税務申告)**を行うことが法律で義務付けられています。これを行わないと、法律違反となり、追徴課税や税務調査など、大きなペナルティが科される可能性があります。確定申告をすれば、税務署はもちろん、市町村もあなたの収入を把握し、課税を行います。
住民登録は「義務」です!
住民登録をしない、または居住している実態を正確に登録しないことは、住民基本台帳法に違反する行為であり、罰則が科されることもあります。
引っ越しをしたら、忘れずに14日以内に自治体へ転入届や転居届を提出しましょう。
自治体からの手厚い行政サービスを受けるのは、国民の権利です。その権利を享受するためには、住民税などの納税は国民の義務として、適正に行う必要があるのです。
住民登録を「復活」させるには?具体的な手続きと必要書類
もし、住民票が職権削除されてしまった、またはこれから住民登録を行いたい場合は、以下の手順で住民登録を復活(再登録)させることができます。
- 居所(実際に住む場所)を定める まずは、安定した生活拠点となる住所を確保することが最優先です。
- 居住権限を証明する書類を用意する その場所に住む権利があることを証明する書類が必要です。
- 賃貸の場合:賃貸借契約書
- 持ち家の場合:売買契約書、登記識別情報(権利書)
- その他:公共料金の支払い明細書(本人宛てのもの)など
- 本人確認書類を用意する 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど、顔写真付きの公的な本人確認書類が必要です。もし記載住所が現在の居所と異なる場合は、現在の居所との繋がりを証明できる書類(郵便物など)も求められることがあります。
- 住民登録を行う自治体と協議する 必要書類を持って、現在住んでいる場所の市町村役場の窓口に行き、担当者と相談してください。提出する書類はすべて原本の真正性を確認されます。
手続きは、自治体によって細部が異なる場合がありますので、事前に電話などで問い合わせて必要書類を確認することをおすすめします。
【まとめ】適正な住民登録と納税で、安心して暮らしましょう!
住民登録をしない、あるいは抹消されたとしても、収入があれば税金は発生し、それを故意に逃れることは脱税になります。
住民票の職権削除は、給付金の受給、保険証の利用、重要な契約など、あなたの生活のあらゆる側面に大きな影響を及ぼします。
適正に住民登録を行い、適正な納税をすること。 これこそが、日本で安心して暮らし、行政サービスを享受するための最も基本的なルールです。
あなたの住民登録は適切ですか?もし不安があれば、早めに役所に相談し、正しい手続きを行いましょう。