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安易に押印してませんか? 署名押印の効果を行政書士が分かりやすく解説!

2016年9月14日

押印のこと

ハンコを押すのって、今の時代は日常茶飯事ですよね。

宅配便の受け取りなどでもハンコの押印を求められるので、そんなときに、「これ、押しても大丈夫かな?」なんて考えたりしませんから。

すでに日常のルーティーンみたいなものです。

しかし、中にはかなり重要な書類にもかかわらず、あまり深く考えずに内容も把握されないままで押印されている方が、案外多くいらっしゃいます。

私からすれば驚きなのですが、一般的には、そういうものでしょうか。

私は商売人(書店)の子どもとして育ちました。

両親はご先祖様の土地の一部を元手に起業したことから、「失敗はできない」という思いが強かったようで、書店を開店してからは、7年間余りの間、まったく休まずに働いたそうです。

お盆も正月もなく、です。

そのために私は小学生になるまで、親とどこかに出かけるということはありませんでした。

お陰で大きくなったので、文句は言えませんけど。

何事においても、両親はとにかく慎重でした。

口癖は、「印鑑、特に実印は、よっぽど考えて押さなあかんで。」でした。

「実印はなあ、上下の目印がないのや。なんでかいうとなあ、どこが上かをくるくる回して探しているうちに、本当に実印を押していいのか考えるためなんやで。」と、くどいほど教えられて育ちました。

私が大きくなって、「実印に上下の目印がない」のは、単に、「印鑑の軸が寸胴タイプ」を選んでいるだけだったのが分かりましたが、まあ、そのお陰で、今でも印鑑を押すのは私も慎重な性質だと思います。

その点も含め、両親には感謝しています。

でも、その感覚はみなさんお持ちだと思っていたのですが、そうでもないようです。

例えば、「遺産分割協議書」です。

これがないと、相続で財産を移転することができませんよね。

自分の相続分(持分)を決定するものですから、とても重要な書類です。

しかし、この内容をよく理解されないままに実印を押印されて、しかもその原本はおろか、写し(コピー)も受け取られることなく内容も知らない方が、ちらほらいらっしゃいます。

相談を受けていると、世間はそうなんだあと思います。

登記簿を見て、ビックリです。

相続人さんの認識と違う事実が記載されていたりします。

これはレアなケースではないのです。

遺産分割協議書は、その内容を理解できていなくても、勘違いしていても、極端な場合、ウソを付かれていても、一度ハンコ(実印)を押してしまえば、その内容に同意したとして証明されてしまいます。

騙されていたのに、もしくは勘違い(錯誤)であって、うっかり(過失)であったとしても、こちらがその事実を立証できるよほどの証拠がない限り、覆すのは難しいとされています。

それほど大切な書類なのです。

しかし、その認識はあまり持たれていないのかもしれません。

身内で、例えば兄弟から、「これにハンコ押しといて。印鑑証明も取っといて。」と言われたら、深く考えずに言われた通りにされるんでしょうね。

気持ちは分かります。

親族である実の兄弟に言われたら、疑うのも気まずいですし、面倒も掛けたくないので、「分かった」と二つ返事で良い返事をしておきたくなりますよね。

でも、遺産分割を進めようとしている本人は、その重要性を十分に理解したうえで、押印を求めています。

ということは、相続人のどなたか一方に随分と都合のよい内容になっているかもしれず、その結果、何年、何十年後に、思わぬ事態が生じていたことに気付いても、もはやどうすることもできない場合があります。

まさに登記簿を見てビックリの事例です。

一方、高額な買い物、例えば、家を買うときなどは、誰でも慎重になりますよね。

売買契約書の内容にしても、よく分からないながらも、一度は目を通されると思います。

相手は実績のある業者だとしても、詳しいことまでは知らない第三者だからだと思います。

もしかすると、近い存在ほど慎重に事を進めておかれた方が、後々に問題となることを避けることができるかもしれません。

「親友だった人物を信用して連帯保証人になったら、どこかにいなくなった。」というのは、よく聞く話です。

家族間でも例外ではありません。

自分の財産に影響を与える契約の場合、「実印と印鑑証明書」は、セットで求められることが多いです。

この用意を求められたときは、まずは必ず慎重になることを自分の決まりごとにされておけば、後のトラブルを少しでも減らせるかもしれませんよ。

相手による先入観はちょっと横に置いとくのが、懸命かもしれません。

なんて言ってる私ですが、先日はヤマト運輸さんを装った詐欺メールに、あやうく引っかかるところでしたけど。

ウイルスバスター、「Good Job!」でした。

油断は禁物。どこに落とし穴があるか分からない世の中です。こわいこわい。

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