戸籍から名前を消す、抜くなどして法的に親子の縁を切る方法はあるの?親子関係の断絶について

2020年1月29日

戸籍の基本的なルール

  • 生れたときに、親の戸籍に入る
  • 婚姻すれば、新しい戸籍が編製される(原則)
  • 死亡すれば、戸籍から除籍される

ポイントは、戸籍からは除籍されるだけで、その戸籍において生存している人がいなくなっても、戸籍は「除籍簿」という公文書として保管されます。

2010年の戸籍法改正により、その保存期間は80年から150年に伸ばされました。

よって日本国民であれば戸籍が長らく保管されるため、その生きた証は死亡後において、150年間は消えることがないのです。

”法的”に親子の縁を切ることはできるのか

よくドラマで、「勘当だ!お前とはもう、親でもなければ、子でないわ!」とか見ますが、あれは単なる形式的な気持ちの問題に過ぎません。

「断絶だ!」と言っても法的には影響が及ばず、親子・兄弟間の扶養義務や相続関係は残ります。

つまり、法律上の親子であることには変わりがないのです。

詳しくは、下記の記事をご参照ください。

参 考 記 事

 

戸籍から名前を消すことはできるのか

では、戸籍から特定の人物の名前を消す(抹消する)ことができるかについてですが、現在戸籍において”見た目から消える”(現在戸籍に記載されない)状態になることはあります。

それは、婚姻(結婚)や転籍により、現在戸籍の記載内容が変わることで生じます。

子の場合

20歳以上の子であれば、「分籍」することで、親の戸籍から離脱できます。

この場合も本籍をおいた市町村役場にて新戸籍が編製されますから、その新戸籍には親や兄弟の名前は記載されません。ただし、一度分籍すると、もう元の親の戸籍には戻れないのでご注意ください。

また、子が婚姻すれば、親の戸籍から離脱します。

このいずれの場合も、子が戸籍から離脱した親は、転籍をすれば、その転籍先の戸籍には、その子の名前は記載されません。

親の場合

親が戸籍の筆頭者である場合、その戸籍から離脱することはできません。

筆頭者の変更もできません。

婚姻状態にある夫婦は、戸籍を分けることもできません。

筆頭者ではない配偶者は、離婚すればその戸籍からは離脱できます。

離婚し入籍すれば、どうなるの?

現在戸籍において、離婚した配偶者が在籍していた戸籍(例えば別れた旦那の戸籍)においては「除籍」の表示がされますが、その戸籍の筆頭者(例えば別れた旦那)が他の市町村に転籍するなどで新しく戸籍が変遷されれば、元配偶者(例えば別れた妻)の「除籍」の記録は記載されません。

しかし、戸籍は過去に遡れるよう記録されていますから、「原戸籍」を取得すれば、結婚及び離婚の事実が記載されています。

これを意図的に抹消することはできません。

 

また、離婚した場合で子どもが未婚であれば、戸籍の問題が生じます。

姓(名字)を母親の旧姓にする場合には、裁判所への申立てなどの手続きが必要になります。

参 考 記 事

 

現在戸籍と原戸籍の関係性

原戸籍とは、”改製前の古い戸籍”のことです。

対比する言葉が「現在戸籍」です。

その名の通り、現在事項を記載しているのが「現在戸籍」で、その戸籍の元となるのが原戸籍という関係です。

戸籍の改製(編製)により、新しい戸籍が作られた段階で、それまでの現在戸籍は原戸籍になります。

これが繰り返されます。

前述のように、例え婚姻や転籍などで特定の人物が記載されない状態が生じるとしても、それは「現在戸籍」の上でのことで、その元となった「原戸籍」には当時の関係が記載されており、その内容に影響は生じません。

つまり、戸籍の内容が原戸籍になった以上、これが書き換えられることは原則としてありません。

いずれにしても、例えば父と子が断絶するために現在戸籍において記載されない状態を作ったとしても、それは個人間の感情の問題であって、法律上も戸籍上も親子関係が継続していることに違いはありません。

日本において、法的に親子関係が断絶される制度はあるか

これは、制度上はあります。

それは、『特別養子縁組制度』による離縁の成立です。

これにより、血の繋がった親子関係が法的に完全に断絶されます。

しかも不可逆的です。

この制度により、一度断絶された親子関係は二度と戻ることはありません。

裁判に訴えても、同様です。

つまり、完全に親子関係が完全に切れるのです。

本当の意味での、血縁関係にある親子の断絶です。

ただしこれは、養子縁組の制度のうち、『特別養子縁組』に限られます。

普通養子縁組では、親子関係は断絶されません。

『特別養子縁組』と「普通養子縁組」の違いは、下記の参考記事をご参照ください。

参 考 記 事

 

日本国籍を有する者は、15歳から自分の意思で普通養子縁組をすることができます。

一方、特別養子縁組をすることができるのは、15歳未満です。

しかも、特別養子縁組の成立には家庭裁判所の許可が必要で、これが認められるのは極めて特殊なケースに限られます。

日本の法律上、法的に親子関係を断絶させる、つまり、完全に親子の縁を切ることができる制度は、特別養子縁組に限られます。

つまり、特別養子縁組の成立を除き、日本では戸籍法などの法令により、原則として法的に親子関係を断絶する(させる)ことはできないと考えられます。

まとめ

本籍を転籍する、または離婚などにより除籍されれば、その存在は本籍を移動(転籍)することで、現在戸籍の見た目からは消えます

ただし、原戸籍に影響はありません。

親子関係についても法的に縁を切ることは、原則できませんが、現在戸籍において”見た目から消える”(現在戸籍に記載されない)状態になることはあります。

しかし、戸籍を遡れば、名前は出てきます。

これ(原戸籍)から名前を抹消することはできません。

特に父親が筆頭者であれば、その戸籍から名前を消すことは、どの段階の戸籍においてもできないでしょう。

いずれにしても、自分の出生から現在までの生い立ちを証明してくれる戸籍ですから、意図的に目的をもって表示を操作するような行為は、適切ではありません。

適正な届出をお願いします。

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