他人からの遺贈|遺言書の効力は?相続関係にない人から確実に遺産を取得する方法とは?

2019年10月10日

遺言書は必ずしも万能ではない

遺言書は、何度でも書き換えることができます。これが認められているからこそ、常に遺言者の意思が反映される状況が維持できると言えます。

参 考 記 事

でも逆に言えば、遺言書により受益を受ける者(相続人や受遺者)にとって、最良であったはずの遺言書が、ある日に突然に、もしくは、知らないままに書き換えられていたということも有り得ます。

遺言書を作成する発案をしたのが誰なのかによって、確実性は違ってくる

本人が自分の意志で遺言書を作成しようと思ったのなら、遺言書に記載すれば大抵のことは実現できると思います。

しかし、遺言書を作成して欲しい人(例えば息子)が、遺言者(例えば親)にお願いをして作る場合は、遺言書が出来上がれば安心とはなりません。そこには、遺言者の意思の希薄さがあるからです。

具体例で見て行きましょう。先祖代々続く家を所有していた主人Aが死亡し、しかも子どもがいなかったことから、その名義がその妻Bになったとします。主人Aの兄弟姉妹Cからすれば、このまま妻Bが死亡すれば、先祖代々続く家の所有権が、妻Bの姻族側に移ってしまいます。

妻Bには子どもはいませんが、法定相続人となる兄弟がいるからです。この場合、兄弟Cからすれば妻Bに遺言書を書いてもらい、自分たち直系の血族側に遺贈してもらうよう、お願いしなければなりません。

しかし、遺言書を書く妻Bには、それほど遺言書を書くことの強い意志はないですよね。それどころか、もしかすると亡き主人Aの兄弟姉妹よりも、自分の実の兄弟に財産を取得させることの方を望むかもしれません。これが遺言者の意思が希薄になってしまうケースの典型です。

この場合、先祖代々の家を直系の血族に相続させるためには、遺言書だけで充分と言えるでしょうか?妻Bの兄弟からすれば、遺言書があることによって自分たちは唯一の法定相続人であるにもかかわらず、財産を相続できないことになります。

だとすれば、妻Bに対して遺言書の作り直しを図ろうとしませんか?しかもこの場合、唯一の法定相続人は妻Bの兄弟なので、妻Bに遺言書の撤回をさせるだけで、財産を取得できることになります。

100%確実に財産を取得したいのなら、今すぐに生前贈与すること

遺言書は将来を予測して、しかるべき手段を講じておく、いわば備えのようなものです。最大限に起こり得ることは考慮して遺言書は作るべきものですが、不確実性が残ることは否めません。しかも遺言書は何度でも撤回し、作り直すことができます。

もし、絶対に財産を取得する必要があって、そこに失敗が許されないような事情があるなら、遺言書を作成してもらうよりも、今現時点で生前贈与をしてもらうのが確実です。もちろん贈与税がかかりますし、その税率は相続税よりもかなり高いです。でも、お金に代えられない事情があるのなら、贈与税を払ってでも、実行しておく価値はあるのではないでしょうか。

後で悔やんでも、もう所有権は戻ってきません。どうしても家を取り戻すのであれば、その権利を買い取るしかありません。

所有者の生前に贈与税を払ってでも確実に不動産を取得しておくか、万が一の場合には所有者の死後に姻族側から家を買い取るかの金額を比較考慮して、検討するべきではないでしょうか。

相続時精算課税制度の活用も検討すべき

生前贈与すれば、年間110万円以上の贈与であれば相続税がかかります。相続時精算課税制度を活用することにより、贈与時には課税をせず、贈与した人が死亡した時の相続時に相続税として計算することになります。よって、所有者の生前に財産を移せるというメリットがあります。ただし、贈与する側は直系尊属でなければならないなど要件も多く、暦年贈与が使えなくなるなどデメリットもあります。将来を見越した判断が必要になります。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4103.htm

まとめ

相続関係にない人から遺産を相続するには、何らかの手続きをしない限り、実現しません。

遺言書と生前贈与など、あらゆる手段を検討して、より確実に実現する方法を採るようにしましょう。

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