養育費を絶対に支払わせるために|法律の改正で取り立てが確実に容易になる!?
※養育費をより確実に受け取る方法については、下記のサイトに書いていますので、ご参照ください。
令和2年5月までに改正民事執行法が施行に
実態として養育費は、その約8割が実質的に支払われていないとも言われています。
これって、離婚していく上で、別れた相手からは何ら期待ができないような気にさえなり、前向きに生きて行く希望を損なわせるような統計結果だと思います。
その原因は、離婚につき夫婦間で取り決め(契約)をしたとしても、現在の法律による運用では取り立ての実効性が乏しく、結果として養育費が支払われずに泣き寝入りしている親権者が多かったことにあります。
「養育費を払っている人って、少ないらしいで」という風潮があるのも、拍車を掛けているように思います。
具体的に申せば、養育費の支払いについて離婚協議書や離婚給付契約書を作成し、さらにこれを強制執行が可能となる公正証書にしたとしても、その後に養育費の支払い義務者が転職をしたり、金融機関の口座を変更したりすれば、それ以上の取り立ては実質不可能となり、裁判所も調査はしてくれませんでした。
しかし、改正民事執行法で創設される第三者からの債務者財産の情報取得手続では、相手方の情報が裁判所から照会されることにより、金融機関の現在の口座情報や、転職した勤め先が分かるようになるということです。
養育費の取り立てに、国がようやく重い腰をあげてくれます
これまでは、相手方(養育費の支払い義務者)が転職をすれば、その給料を差し押さえようとしても、親権者(受取る側)が自ら調べて、その職場を特定しなければなりませんでした。
これは実質、一般市民では不可能でした。
それが今後は、裁判所が職権で行ってくれるようになる意義は、養育費を確実に受け取れる可能性が高まる点で、極めて大きいと思います。
では今後は、どのような効果があり、対策をするのかですが、養育費の支払いが履行される度合いが高まるということは、離婚に際し、きちんと約束をしておくことがますます重要となります。
これまでは、養育費が支払われている現状が、実質2割しかないのなら、しかも、公正証書にしたとしても実効性が絶対でないのなら、契約書を作っても意味がない、仕方ないと思われていたかもしれません。
これが今後は、裁判等により養育費の支払い金額が確定すれば、裁判所が取り立てを継続的に実現するため寄与してくれます。
裁判を経なくても、離婚時に離婚給付契約書を作成し、それを公正証書にしておけば、執行力には同じ効果が生じます。
養育費の支払いを請求することは、子どもが有する権利
養育費は、夫婦の合意がなければ請求できないものではありません。
しかし合意のないままに離婚すれば、裁判を起こすほかありません。
離婚に向き合う際には、これからのご自分とお子さんの生活設計を現実的なものとするためにも、ご夫婦の離婚条件を話し合っていただきたいと思います。
夫婦間での協議が難しければ、裁判も検討されるべきだと思います。
だって、養育費を受け取るのは子どもの権利ですから。
離婚の協議をされたなら、その約束が確実に果たされるよう、書面で契約書を残すことを強くオススメします。
まとめ
民事執行法が令和元年5月17日に改正されました。この日から1年を経過しない日において、この法律が施行されます。
これにより、養育義務者に対し、養育費の強制徴収が、より現実的になります。
法改正がされればなおさら、その契約書は公正証書としておくのが望ましいですね。