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相続は手続きのため綿密な調査が重要! 気付いていない遺産はありませんか?

2019年8月16日

公衆用道路について相続で注意すべき点

相続と不動産のお話です。

不動産に関することで、公衆用道路については、以前のブログでご説明しました。

公衆用道路とは、一般の通行のため使用されている道路のことで、公道もあれば私道もありますよとお伝えしたものです。

私道の場合は一般市民(法人などの団体を含む)の所有となりますので、当然ながら売買や相続などで名義人つまり所有者が変更になることもあります。

公衆用道路は忘れがち!?

皆さんは、ご自分の所有する不動産が、どこの場所に何があるのか、把握されていますよね!?

いわゆる不動産の権利書(今の登記識別情報)を保管されていると思いますし、法務局で登記簿を発行すれば、確認もできます。

しかし、漏れなく把握されていますか?

毎年5月頃に不動産の所有者宛てに、管轄する自治体(市町村)から固定資産課税明細書が届きますから。ここで所有する不動産の一覧が表示されていますので、これでも確認することができます。

ただ、以前のこのブログでもご説明した通り、公衆用道路の固定資産税は非課税(免除)となっていることがあります。

固定資産課税明細書の記載内容にご注意を!

注意すべきことなのですが、固定資産課税明細書で把握されている場合、困ったことが起きることも。

固定資産税が非課税の扱いとなっている不動産の場合、自治体によっては公衆用道路は固定資産課税明細書には記載されない場合があるのです。

一方、不動産表示のうえで、固定資産額が0円で表示されるところもあります。

これは、自治体によります。

その理由は、固定資産課税明細書は、所有者に毎年徴収する固定資産税の税額をお知らせするものです。

この不動産の評価額は〇〇円です。よって、固定資産税と都市計画税の金額は〇〇円ですよと通知した上で、税額を徴収する趣旨で発行されています。

決して、自治体のサービスによりご丁寧に不動産の所有者に向けて、不動産の評価額を、しかも毎年お知らせしてくれている訳ではないのです。

ということは、徴収する税額がないのなら記載する必要もないと言えなくないわけで、非課税の不動産を記載することによって誤解を招くと考える自治体もあるのではないでしょうか。

さらに言えば、課税する固定資産とその額をお伝えするのが、明細書(固定資産課税明細書)の役割なのですから、登記されていない土地や建物もこの明細書には記載されます。

登記の有無にかかわらず、固定資産が存在する事実があるのなら、その不動産には課税されるからです。

固定資産評価証明書とは

一方、よく似た名前の書類に、固定資産評価証明書というものがあります。

これには、不動産が所在する自治体が把握している固定資産の情報が記載されます。

もちろん、登記されている不動産のほか、登記されていない不動産も表示されますし、固定資産が非課税の不動産も表示されます。

その理由は、この証明書の目的が、その名前の通り、固定資産の評価額を証明するというものだからです。

これは、明細書と違い、証明書だからです。

ここまでを整理しますと、固定資産に関するものとして、自治体は「明細書(固定資産課税明細書)」は課税(税を徴収)するために送ってきます。

これは無料で届きます。

一方、「証明書(固定資産評価証明書)」は、例えば不動産の所有者が融資を受けるためとか、相続の手続き(所有権移転登記)をするときとか、所有者の権利関係を証明してくれるものですから、お金(発行手数料)がかかります。

公的な証明力を有するものです。

つまり、よく似た名前の書類でも、発行されている目的が違うのです。

固定資産証明書の趣旨としては、課税される不動産はもちろん、非課税の不動産であっても土地としては評価額があるわけで、しかしその税額は0円であることを、その理由も付記して(たとえば講習用道路のため)証明する必要がありますから、自治体が把握している情報を記載して証明しようというものです。

注意すべきこと

課税明細書は毎年届きます。

つまり定期的に目にしますね。

一方、評価証明書はこちらから請求しないと、内容を見ることはないという違いがあります。

そのために、市町村から一方的に届く課税明細書だけを見ていたとすると、非課税物件の存在自体を知らなかった、親から聞いていなかった、忘れていた、とかいうことが、”現実的に起らないとは限らない”と言えますね。

実際、相続手続きを依頼されたときに、亡くなられた方(例えばご主人)の相続のはずなのに、その前の代(例えばおじいちゃん)からの相続時に手続きの漏れが見つかるケースがあります。

そんな場合は、前回に手続きが漏れていたおじいちゃん名義の財産も一緒に、相続手続きをする必要が生じるのです。

これを数次相続と言いますが、結構大変なことになるケースがあります。

なにしろ、手続きは完了していたと思っていたのですから。

しかも、おじいちゃんが亡くなられたのは、随分前のことですよね。

ということは、数十年経過しているケースもありますよね。

その間、相続人が増えていて、その方から署名押印がいただけない状況となったなら、おじいちゃんの名義を、自分(依頼者)に移すことはできなくなります。

この忘られていた非課税の土地には、公衆用道路が多く見られます(その他もあります)。

なぜ忘れられたかと原因を推測すれば、主に以下の理由が考えられます。

  1. 課税明細書に記載のある不動産のみを対象にした
  2. 先代の相続時は、相続税に気を取られていた
  3. 公衆用道路なので、すでに市町村の所有だと思っていた

1は前述のとおりですね。

2のケースは、多くの財産があったのでしょう、相続税対策で税理士の先生が手腕を振るわれ、様々な控除などで適切な処理と手続きをされたお陰で、相続税の納税額を低く抑えられたようです。

そのためか、不動産の共有者や持分が随分複雑となり、次の相続は大変じゃないのという状況になっている面があったりします。

税の面ではさすが税理士さん!と関心しますが、会社の株式などもあってご苦労された跡は見えます。

でも、公衆用道路の名義が先代のままでした。

この税理士さんは普段から会社の顧問などをされていた優秀な方のようです。

もちろん、相続に強い税理士さんもたくさんいらっしゃいます。

専門の違いというところだったのでしょう。

この場合、相続税に関しては税理士さん、登記に関しては司法書士さん、遺産分割協議書に関しては行政書士に任せるのが、ベストの選択ではなかったでしょうか。

そしてこの中で、手続きの中核を担う専門家(つまり旗振り役)を明確にしておけば、財産調査においても漏れが生じなかったと思います。

例えば、行政書士に依頼していただければ、遺産分割協議書の作成を前提として財産調査を行いますし、税に関する部分は税理士さん、登記部門は司法書士さんと連携して業務を行っていきます。

行政書士は資格柄、相続税が発生する場合は税理士さん、不動産登記申請が必要な場合は司法書士さんと連携しなければ、業務が完了しないことが多くあります。

他の士業者との連携が、とても重要なんです。

一方、税理士さんは相続税が絡む相続手続きだけなら、単独で行えます。

司法書士さんは、登記の名義変更(所有権移転)のための相続なら、書類の作成も含めて単独で業務されます。

資格による専門性の違いですから、士業を選ぶポイントも意識しておきたいですね。

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