結婚したら二人の戸籍はどうなるの?婚姻届の仕組みは?捨印の役割は?
婚姻届の仕組みと役割
さて、結婚をすると、婚姻届を市区町村役場に提出しますよね。
良く知られていることで言えば、婚姻届は、24時間いつでも提出できます。
ただし、役場の業務時間外は夜間受付窓口等に提出することになります。
また、婚姻届の様式は、デザイン等かなり自由なものでも役所は受理してくれます。
インターネットでは、斬新でカラフルな婚姻届も公開されていて、ダウンロードすることも可能です。
某結婚情報誌には、ピンクの婚姻届が付録で付いていたりしますよね。
ただし、婚姻届の用紙のサイズはA3と決められていたり、必要項目が漏れなく記載されていることなど、注意が必要です。
もし、結婚されるお二人が入籍される予定の日が大切な記念日であったり、入籍日を必ず守って届けたい場合には、提出される役場で入手できる婚姻届で提出するのが無難かもしれませんね。
だって、問題なく受理されることが大事ですから。
戸籍の編製のこと
また、婚姻届の大切な役割として、戸籍の編製があります。
夫婦のどちらも初婚の場合は通常、これまでは親の戸籍に入っていましたから、この婚姻届の提出によって、親の戸籍から外れて新戸籍が作られます。
この新戸籍の筆頭者になるのは、婚姻届の欄にある「夫婦の氏・新しい本籍」で、夫もしくは妻のどちらかで☑(チェック)した方の姓を名乗ると同時に、編成される新戸籍の筆頭者になることを意味します。
夫の氏を選択(チェック)したなら、夫が戸籍の筆頭者になります。
妻の氏を選択(チェック)したなら、妻が戸籍の筆頭者になります。
捨印のこと
あと、婚姻届に「捨印」をすることの効力について、ご説明します。
正式な書類には、「捨印」をするという行為があります。
通常、正式な書類の訂正には訂正箇所に「訂正印」を押すことで訂正が認められます。
つまり、「訂正印」の及ぶ効力は、訂正箇所に限られます。
一方、「捨印」はあらかじめ訂正されることを認めておく趣旨のものです。
これが、婚姻届でも、捨印を押すことが前提に様式が作られています(例外もあります)。
その理由を考えてみますと、婚姻届は入籍日と密接に関係しますから、夫婦二人で提出に行けない場合に、書き直しで出直すことが大きな問題となること等があるのだと思います。
もし婚姻届に夫婦の捨印があれば、提出をした役場の窓口で記載内容の訂正をすることができます。
わざわざ出直すことがなくなるかもしれず、便利ですね。
では、質問です。
Q1:誰が訂正するの?
A:基本は役場の職員です。
Q2:記述の全てにおいて訂正できるの?
A:軽微な箇所のみです。
Q3:結婚する当事者(夫と妻)以外の者が婚姻届を提出できるの?
A:できます。
「婚姻届の訂正を認めて大丈夫なの?」と心配されるかもしれませんが、上記のQ&Aの通り、婚姻届の提出は極めて重要な身分行為なので、どこの市区町村役場でもおよそ一律の基準をもって厳密に取り扱われています。
しかも、修正の箇所は例えば住所の一部の漢字が間違っているなど、誰の目から見ても修正が当然で、しかも当事者の身分に影響がない箇所と内容に限られます。
つまり、婚姻届に夫の氏(姓)を選択する項目に☑(チェック)しているのに、捨印で妻の姓にするようなことは、重要な身分行為に関する変更になるために、訂正が出来ない取扱いになっています。
軽微な訂正にしても、役場の職員が行うのが通例です。
本人ではなく、届け出た第三者でもありません。
よって、勝手に改ざんされる恐れもありません。
また、届出自体の有効性についても、届出をしたのが当事者の夫と妻なら問題ありませんが、当事者のうちの1人が提出したのなら、役場はその一方に事実の確認を行います。
上記のQ3にあるように、第三者が提出をしたなら、役場はその婚姻の当事者の両方に事実の確認を行います。
したがって、勝手に婚姻届が提出されて、自分が知らないうちに結婚していたという事態が起こらないというのは、役場によるこのような確認作業が徹底されているからです。
大切な人と結婚できるという当たり前のことは、確立された行政による制度を、職員さんが厳正に実施していただいているお陰と考えると、感謝したくなりますよね。
「公務員は良いよなあ、楽で」なんて聞くこともありますが、重い責任を伴う仕事をされていますよ。
まとめ
役場に婚姻届が提出されると、双方が初婚の場合は新戸籍が編製されます。そこに二人で入籍をするのです。
「希望に満ちた二人に幸あれ」ですね。
なお、結婚にともなう戸籍のことは、下記の記事で詳しく書いていますので、ご一読ください。