商標登録していれば、Tシャツの利益もハンパないって!?権利や収益は誰のもの?
「大迫、ハンパないって!」にまつわる権利関係はどうなってるの?
「大迫、ハンパないって!」
2018年のサッカーワールドカップのロシア大会の開催に伴い、この言葉が話題になった理由は、ネットニュースでも解説されました。
「大迫半端ない」なぜ話題に?ルーツは高校時代の敵選
しかし、このフレーズが既に2014年に商標登録されていたことも、今回の件で多くの方がご存じになったと思います。
この商標権の権利者
それは、大阪に在住の会社員の方(塩崎さん)だそうです。
2014年に自らがTシャツを販売する際に、商標登録されたそうです。
しかし、関係ない第三者が、商標権を無視して、販売をしている現状があります。
塩崎さんは販売の差し止めを求める通知を送っているそうですが、無視する業者があるとか。
この場合、過去の裁判例によると権利者が訴えれば、総売上げの3%を取得できる可能性があるそうです。
一方、このフレーズの生みの親(中西さん)は、商標権を持っていないので、1円も入ってきません。
しかし、市販されているTシャツには、中西さんの顔写真のイラストがプリントされていますから、肖像権侵害となる可能性がありますよね。
この場合、中西さんが肖像権侵害を根拠に訴えれば、裁判例からTシャツの総売上げの5%を取得できる可能性があるそうです。
でもね、3%、5%って、安くないですか?
権利を持たない、しかも権利を侵害して荒稼ぎをしたのに、知的財産権を根拠に争っても、わずか3%とか5%なら、やったもん勝ち、売ったもん、儲けたもん勝ちになりませんか?
もっと保護されてもいいように思います。
まあ、あくまで裁判例による目安なので、個別事案によって違ってくるとは思いますけど。
私は仕事柄、このワールドカップの日本代表の試合を見ていて、スタンドの応援席にカメラが向くと、「大迫半端ないって!」のフレーズと中西さんのイラストが入った大きな旗が映ってる様子を見ては、その都度に、商標権と肖像権の侵害に加え、イラストについては著作権侵害もしてはるわ、と思ってしまいました。もはや職業病ですね。
例えば、国や自治体が民間とともに事業を行っていたとしたら、その良し悪しというよりも、その根拠法は何だとか、財源や権限はどこにあるのか、その真相を知りたくなってしまいます。
そんなこと、一般市民である皆さんにとってはどうでもいいことですよね。
でも、知らなかったばかりに、踏み込むべきではない領域を侵している危険性があります。
安易な判断でやっちゃったとしても、自己に責任は帰属しますから、その危険が我が身に降りかかるなんて、想像だにしていないということでしょうか。
知らないことって強いですが、用心して損はありません。
まとめ
思わぬところに権利侵害あり。権利者にとっては、貴重な財産です。
十分に注意しましょうね。